【動態管理システムとは?】アプリ型とシガーソケット型のシステム7選を比較

「動態管理システム」はこれまで配送業界で使われていたシステムでしたが、今や車を扱う多くの企業で認知され、関心が高まっています。
今回は動態管理システムとは何か?そのメリットや導入手順、おすすめのサービスまで詳しくご紹介していきます。

目次

動態管理システムとは?

動態管理システムとは車両の走行情報等を記録することで「運転業務を見える化」するシステムです。蓄積した走行データを元に配送ルートを改善したり、運行日報の自動作成により手間を削減したりと、運転にかかわる業務を改善するために使われています。

動態管理と車両管理の違い

動態管理とあわせてよく聞くのが車両管理です。動態管理が走行情報を管理するのに対して、車両管理は車検や整備情報などの管理であるという違いがあります。従来は別々のシステムで管理されていましたが、最近は動態管理システムの多機能化が進み、動態管理と車両管理の両方を一元管理できるシステムも多く提供されています。

動態管理システムの料金相場

動態管理システム料金相場のイメージ画像

動態管理システムの利用料金は「1社〇〇円」ではなく、「1台○○円」と利用台数に応じた料金設定であることが多いです。1か月の相場は1台1000円~5000円程とシステムの機能や端末の種類によって差があります。
ここで料金相場と合わせて確認しておきたいポイントが契約期間と支払いプランです。
動態管理システムは年間契約が多く、毎月支払いではなく利用開始時に1年間分を一括で支払うという契約も多いため、月額料金だけに気を取られていると初期費用の目算を見誤ります。導入を検討する際は月間料金だけでなく契約期間と支払いプランについても合わせて確認しておきましょう。

アプリ型、シガーソケット型の料金内訳例

【アプリ型動態管理システム】
月額料金相場1台1000円
=サービス利用料(1000円)
 +端末レンタル料(車載スマホを利用で0円)
 +通信費( 車載スマホを利用で0円 )

【シガーソケット型動態管理システム】
月額料金相場1台5000円
=サービス利用料(1000円)
 +端末レンタル料(3000円)
 +通信費(1000円)

一見、アプリ型の1000円がシガーソケット型の5000円より安いように見えますが、必ずしもそうとは言い切れません。
アプリ型の利用にはスマートフォンが必要です。既に連絡用やナビ用で車用スマホを利用している場合はアプリをインストールするだけで利用できますが、車用スマホがない場合は新たにスマホとSIMを調達しなければなりません。
高価なスマホを新調する場合はシガーソケット型の端末レンタル料を上回ってしまう可能性もあります。
単に月額利用料金だけを比べるのでなく、車用スマホの導入状況や通信料と合わせて比較しましょう。

動態管理システムのメリッとデメリット

動態管理システムのメリッとデメリットのイメージ画像

動態管理システムは車両管理者だけでなくドライバーにもメリットが多く、会社全体として多くので効果を期待できます。

【車両管理者のメリット】

【リアルタイム位置把握機能】
ドライバーに確認しなくても作業の進捗を確認できる。

走行履歴の記録機能
記録に基づいて最適な配送スケジュールを計画できる。

危険運転検知、速度記録機能
客観的なデータに基づいた安全指導ができる。

車両の故障情報やメンテナンス管理機能
車両トラブルによるリスクを減らすことができる。

車両とドライバーの割り振り管理機能
稼働率を上げることで、車両台数や燃費などコストを削減できる。

【ドライバーのメリット】

運転日報の自動作成
日報作成の手間を削減できる。

危険運転検知、速度記録機能
データに基づいた評価を受けることができるため、安全運転に対するモチベーションアップ

リアルタイム位置把握機能
営業拠点へ連絡する手間が減り、運転業務に集中できる。

【デメリット】

【コスト】
サービスの利用には1か月間で1台につき5000円、年間にすると約6万円の運用コストがかかります。仮に5台であれば30万円、10台であれば60万円の費用が掛かるため、金額だけを見れば決して安くはありません。
ただ、事故削減や管理業務効率化などの動態管理システムで得られるメリットの大きさはコストデメリットを上回るため多くの企業で導入されています。自社にとってコストを上回るメリットが得られそうか、導入前に比較しておきましょう。

【導入を煙たがれる可能性】
新しいシステムの導入にはず業務手順の変更が伴います。
ドライバーの中には「手順の変更は面倒」、「業務を見張られている気がして嫌だ」と感じる方もいます。
突然システムを導入するのではなく、事前にドライバーにとってどんなメリットがあるのかを伝えることでシステム導入への反発を防ぎ、導入をスムーズに進めることができます。

動態管理システムを導入している業種

動態管理システムを導入している業種のイメージ画像

動態管理システムが活用されている業界は広く、車を扱う多くの業種で導入されています。

・運送業
・建築業
・製造業
・不動産業
・引越し業
・電気工事業
・水道工事業
・サービス業
・冠婚葬祭業
・医療・福祉業
・不用品回収業
・ロードサービス業
・廃棄物収集運搬業,etc.

動態管理システムの3つの選び方

動態管理システム選び方のイメージ画像

一口に車両管理システムといっても端末の種類、機能、料金、操作性などサービスごとに異なります。自社にとって最適なサービスを選ぶための視点、注意すべきポイントをご紹介します。

1.目的で選ぶ

自社の問題を改善するためどんな機能が欲しいのか、その機能を達成できるのはどのサービスなのかという視点で選択します。
(目的例)
・配送・配車効率のアップ
・車両管理の効率化
・連絡手段の円滑化
・安全運転教育による事故の削減
・日報自動作成による手間の削減

2.操作性に合わせて選ぶ

動態管理システムは導入するだけでは意味がありません。実際に導入して継続的に業務で使えてこそ初めてその効果が発揮されます。同じ動態管理システムでも提供している会社によってデザイン・操作性が大きく異なりますので、トライアル期間中に操作しやすいシステムであるかを確認しておきましょう。

3.端末で選ぶ

以外と注意しないといけないのが、車両に取り付ける端末の選択です。保有している車両に合わせた端末を選ぶこと、取り付け方法を事前にイメージしておくことが重要です。

【ドライブレコーダー型の動態管理端末】

ドライブレコーダー型端末のイメージ画像

業界の中でも新しいタイプの端末です。
最大の特徴はドライブレコーダーに映る映像をリアルタイムで確認できる点です。
まだ提供している企業は少なく、端末も月額料金も高いですが、走行映像をリアルタイムで確認できる点は他の端末にはないメリットです。ドライブレコーダーと同様の配線作業が必要です。

【アプリ型の動態管理端末 】

アプリ型端末のイメージ画像

こちらも新しい形の端末です。
スマートフォンに専用アプリを入れることでスマホのGPS機能を使って動作します。
OBD2タイプ、シガソケタイプとは異なり、スマホをセットアップするなどの手間がかかりますが、専用端末を使わない分、料金が安いという点が魅力です。またシステムを利用する際はアプリを起動しないといけないため、ドライバーへ利用方法を周知する必要もあります。

【OBD2型の動態管理端末 】

OBD2型端末のイメージ画像
出典:blogs.yahoo.co.jp

車に搭載されたコンピューターとの接続口であるOBD2端子に接続するタイプの端末です。
運転席の足元に設置されているOBD2端子に差し込むことですぐに利用を開始できることが利点です。
ただ、古い車両にはこの端子がついていないため注意が必要。国産車であれば2008年10月以降の車両にはついていますが、事前に所有している車両にODB2端子があるかどうかを確認しておきましょう。

【シガーソケット型の動態管理端末 】

シガーソケット型端末のイメージ画像

最も導入しやすいタイプの端末であり、シガーソケットに差し込むだけで機能します。ただし、シガーソケットをスマホの充電等で使用している場合はシガーソケットの増設、分岐といった施工が必要です。

また、ここで注意すべきポイントはシガーソケットの位置です。車両によっては端末を装着することで、シフトレバーの操作を妨げてしまう場合もあります。ケーブル付きの端末もありますので、事前に配線の取り回しや取り付け方法を確認しておきましょう。

【デジタコ型の動態管理端末 】

デジタコ型端末のイメージ画像
出典:denso-solution.com

長距離輸送用のトラックに取り付けられていることが多いタイプの端末です。
速度・走行時間・走行距離などの情報を記録するデジタコにオプションで動態管理機能を追加します。ダッシュボードの裏側にあるデジタコ専用の出力ピンから取り付ける専用の作業となるため、デジタコ提供会社や整備工場へ事前に相談しておきましょう。

動態管理システム導入の流れ

動態管理システム導入の流れのイメージ画像

自社にとって最適なサービスを選び、スムーズに車内に馴染ませるために計画的に導入を進めていきましょう。

  1. 課題の洗い出し
  2. 課題を解決できるシステムを複数選択
  3. 取り付け・料金・操作性で比較
  4. サービスのトライアル利用
  5. 最適なサービスを選定
  6. 社内への周知
  7. システムの導入
  8. テスト運用
  9. 本番稼働

アプリ型とシガソケ型の動態管理システム7選を比較

利用できる端末の種類を比較しながら、おすすめの動態管理システムを紹介していきます。

1【ビジネスナビタイム動態管理ソリューション】

ビジネスナビタイム動態管理システムのホームページキャプチャ画像

http://fleet.navitime.co.jp/

端末タイプ月額費用実績
アプリ型問合せGOOD DESIGN AWARD2020年度受賞

ナビゲーションシステムを提供している株式会社ナビタイムジャパンが提供する動態管理システムです。
ナビゲーション機能と動態管理機能を連動させることによって移動時間を考慮した無駄のない配送計画を練ることができます。一つのシステムでナビ機能と動態管理機能をまとめたい場合にオススメです。

2【ロジこんぱすLite】

ロジこんぱすLite動態管理システムのホームページキャプチャ画像

https://logilite.net/

端末タイプ月額費用実績
シガーソケット型要問合せ不明

液晶パネルがついた高機能動態管理端末「ロジこんぱす」の一部の機能を手軽に利用できるのが「ロジこんぱすLite」。
シガーソケットに挿しこむだけで簡単に利用が始められる動態管理システムです。ロジこんぱすと比較すると機能が限られますが、走行データの記録、安全運転評価、レポート出力など動態管理のメイン機能は十分に備わっています。

3【SmarDrive Fleet】

SmarDrive Fleet動態管理システムのホームページキャプチャ画像

https://smartdrive-fleet.jp/

端末タイプ月額費用実績
アプリ型
シガーソケット型
要問合せイノベーションテックアワード2020

機能、デザインとも評価の高い動態管理システムです。こだわりのデザインにより直観的に操作できるため現場に馴染みやすいことも嬉しいポイント。専用アプリではドライバー自身が運転診断結果を確認できるため、自然に安全運転に対するモチベーションを上げることができます。

4【Cariot】

Cariot動態管理システムのホームページキャプチャ画像

https://www.cariot.jp/

端末タイプ月額費用実績
アプリ型
シガーソケット型
要問合せ不明

Salesforceと連携しているため、動態管理と勤怠管理の紐づけができることが大きな特徴。カスタマイズ性が高いところもポイント。リアルタイム位置情報取得機能に加え、ルート提案や到着予想時間など機能も充実しています。

5【ODIN動態管理】

ODIN動態管理システムのホームページキャプチャ画像

https://doutaikanri.com/

端末タイプ月額費用実績
アプリ型1200円/台2300社の
導入実績

配送業界に特化した機能が豊富で多くの会社で実績があります。専用端末を使用しないアプリ型であるためスマホがあれば導入ができます。

6【Loogia】

Loogia動態管理システムのホームページキャプチャ画像

https://loogia.jp/

端末タイプ月額費用実績
アプリ型 要問合せ100社以上の導入実績

オプティマインドが提供する動態管理システムです。
走行データに基づきAIが自動で最適な配送ルートを策定してくれるため、配送計画の練り直しに手間がかからないことが特徴です。

7【KIBACO×くるまぷり】

KIBACO×くるまぷり動態管理システムのホームページキャプチャ画像

https://kurumappli.jp/

端末タイプ月額費用実績
アプリ型運転者向け500円/台
管理者向け1000円/人
不明

車両のメンテナンス情報などを管理する車両管理システムKIBACOと連動して使える動態管理アプリです。
専用のスマホアプリにはスマホのセンサーを活用して急発進、急停止、急ハンドルを検知する機能を搭載しており、安全運転を促すための仕組も備わっています。動態管理だけではなく車両管理も合わせて取り組みたい場合にオススメです。

まとめ

本記事では動態管理システムのメリットやシステムを選ぶ際のポイントなどをご紹介してきました。
動態管理システムは管理者だけでなくドライバーにも多くのメリットがあり、多くの企業で導入が進んでいます。
企業によって課題が異なるため、自社の状況や目的に合わせてサービスを選定していきましょう。

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