テレマティクスの意味とは?サービスを提供する3つの業界を解説

テレマティクスは保険や自動車メーカーのサービスでも聞く言葉ですが、実際は聞きなれない言葉で、テレマティクスという言葉の意味がわからず、どんな場面で引用するのか分らない方も多いかと思います。この記事ではテレマティクスが使われる業界の紹介と、テレマティクスを使ったサービスの解説を行います。この記事を読むとテレマティクスの意味を理解していただけるかと思います。

目次

テレマティクスの意味とは?

テレマティクスの意味とは?

テレマティクスとは車両に移動通信システムを搭載して、車両から送信される位置情報や車両情報をサーバー経由で共有して、離れた場所にいる管理者やサービス提供者と、情報の相互通信を可能にするシステムです。テレマティクスの語源は、テレコミュニケーション(遠距離通信)とインフォマティクス(情報処理)を合わせた造語で、そのテレマティクスを使うをサービスを、テレマティクスサービスとも呼ばれています。また、自動車メーカーが提供するテレマティクスサービスは、コネクティッドカーやコネクティッドサービスと呼ばれる事が多いです。

テレマティクスを使ったサービス

テレマティクスを使ったサービス

テレマティクスサービスは大きく「保険サービス、自動車メーカー、車両管理システム」の業界で多く使われています。その3つの業界の機能や利用のされ方を解説します。

保険サービス

保険サービス

保険サービスのテレマティクスサービスは、ドライブレコーダー型の車載器が多く使われます。事故の検証映像として撮影された動画で、事故処理がスムーズに進みます。他にも保険料の割引サービスの対象など多くのメリットがあります。

みまもりサービス
車両の衝撃をテレマティクスの車載器が検知して、テレマティクスを通した安否確認をしてもらえます。事故などの緊急時はサポートから通報してもらえる、みまもりサービスに対応できます。

保険料金の査定
「走行距離連動型(PAYD)」走行距離に連動する算定方法と、「運転行動連動型(PHYD)」車速や急ブレーキなどの情報から事故リスクを分析して算定する方法で、基本の保険料金から割り引く料金を算定します。

事故対応時のサービス
事故が起きてしまったドライバーは、緊急連絡をできない状況やパニックに陥りがちです。その様な状態でも事故の衝撃をテレマティクスで検知したら、安否確認や緊急連絡をしてもらえます。

自動車メーカー

自動車メーカー

自動車メーカーのテレマティクスは、コネクティッドカーやコネクティッドサービスとも呼ばれます。車載器は車両診断装置を接続する、OBD2ポートから得られる情報を使ったサービスが主流で、車両情報は運転時のエンジン回転数や、燃料の残量まで把握できます。

サポートサービス
テレマティクスの車載器から、音声によるサポートサービスが受けられます。オペレーターは「現在地から一番近いコインパーキングを探して欲しい。」などのドライバーからの質問に対して、情報を提供しつつ目的地までの道のりを、ドライバーのナビに遠隔で設定してくれます。

セキュリティーサービス
自動車が盗難に遭った時も活躍します。不用なエンジン始動があった場合はスマホに通知が届いたり、車両が動き出したときも、追跡システムでリアルタイムな位置を把握できます。

車両の遠隔操作
車両のロックを忘れた時でも、長時間のアンロックを検知して利用者のスマホに通知してくれたり、遠隔でロックしてもらう事も可能です。

車両管理システム

車両管理システム

車両管理システムでは、リアルタイムな車両のGPS情報が把握できるので、動態管理や配車管理も可能です。ドライバーの業務中に、現在地を電話連絡で確認しなくても、テレマティクスを使って管理者はシステムの管理画面上で把握することが可能になります。他にも専用のカーナビやスマホの画面を使った画面操作で、情報の相互通信が可能になり、案件毎の進み具合を管理画面で把握するなどの機能も使えます。

運行管理
顧客からの追加受注やキャンセルが生じた場合やでも、リアルタイムな車両の位置を把握して、修正されたルートをドライバーのナビ画面に送信する事ができます。

燃費コスト向上
急加速や急減速、急ハンドルなどの情報をテレマティクスで取得して、ドライバー毎の運転技術をスコア化し、安全運転向上を促せます。また、その安全運転に心がけることが、結果的に燃費コスト向上にも繋がります。

車両情報
テレマティクスのOBD2から得られる車両情報は、燃料の残量やバッテリーの電圧なども把握できるので、消耗品の交換時期や、メンテナンス時期の管理も可能にします。

テレマティクスのメリットとデメリット

テレマティクスのメリットとデメリット

テレマティクスは、これからも多方面の業界で成長していくサービスで、利用する事によりメリットを多く感じられます。ですが、メリットだけではく、デメリットも存在するはずです。そのメリットとデメリットを理解する事で、テレマティクスは利用価値を生み出す事でしょう。この項目ではテレマティクスのメリットとデメリットの一部を紹介します。

メリット① ” 安全運転意識の向上

リアルタイムに検知される急加速や急ハンドルなどの挙動を、その場でドライバーに危険運転を警告する事で、事故防止に効果があります。他にも保険サービスで利用される割引対象のサービスにも繋がるので、自然と安全運転に対する意識は向上します。

メリット② ” 情報の相互通信 “

テレマティクスの導入で車両は移動体情報端末となります。ドライバーはナビやスマホの画面を使って、オペレーターと情報の相互通信が可能になります。

デメリット① ” 情報漏洩

テレマティクスで取得した車両情報は、ネットを介しサーバー上にあるので、情報漏洩のリスクは存在します。その事を理解した上で、データの管理方法を確認し、サービスを利用する事が大切です。

デメリット② ” 導入コスト

テレマティクスの利用料金は、提供するサービスにより初期費用やランニングコストは様々です。利用するサービスに対して、必要な機能と車両に搭載する車載器を絞り込み、適切な利用料金を定めましょう。

まとめ

この記事では、テレマティクスを利用したサービスを提供する「保険サービス、自動車メーカー、車両管理システム」にフォーカスして、それぞれの業界での利用のされ方や機能を紹介してきました。総括して言える事は、テレマティクスはビジネスの効率化だけではなく、事故防止や燃費の向上に大きく貢献しています。テレマティクスは、今回取り上げた三つの業界だけではなく、他の業界でも着実に利用され、今後も無くてなならないシステムになる事は間違いありません。テレマティクスと密着した社会で、さらに安全でスマートな世の中になる事を期待したいです。

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