テレマティクスサービスとは?仕組みの解説と業界の紹介

車両が移動体通信端末になる!テレマティクスサービスやコネクティッドカー、最近ではCMでも「テレマ保険」などと名付けてサービスを展開する保険サービスまで存在します。「なんとなく言葉は理解してるつもりだけど、うまく説明できない」と感じてる方も多いと思います。この記事ではテレマティクスサービスの仕組みや、テレマティクスサービスが使われる業界などの解説をしていきます。

目次

テレマティクスサービスとは

テレマティクスサービスとは

テレマティクスサービスとは、車両などの移動体に通信システムを搭載して、リアルタイムに情報やサービスを提供するシステムです。
テレマティクスの語源はテレコミュニケーション(遠距離通信)とインフォマティクス(情報処理)を合わせた造語で、そのテレマティクスを使うをサービスをテレマティクスサービスと呼ばれています。
テレマティクスサービスを使った技術の例を挙げると、カーナビなどはGPS情報と通信システムを使い、渋滞情報をカーナビの画面上に表示して、回避ルートの提案や渋滞情報を踏まえた到着予想時間をドライバーに伝えます。

テレマティクスサービスの仕組み

テレマティクスサービスの仕組み
テレマティクスサービスの仕組み

テレマティクスサービスの仕組みは、車両などの移動体に搭載した3GやLTEなどの通信機器を通して、クラウドサーバーに車両の情報を送信できる事が前提になります。サービス提供者や管理者は、クラウドサーバーに送信されたリアルタイムなデータを必要に応じて閲覧したり、車両に情報を送信する事も可能になります。

テレマティクスサービスでできること

テレマティクスサービスでできること
  • 運転技術のスコア化
  • 危険運転の検知
  • 車両の現在地を把握
  • 渋滞などの回避
  • 車両の情報管理

車両が情報端末になり、サービス提供者や管理者と相互通信が可能になることで、テレマティクスサービスを使ったサービスは車両の動態管理だけではなく、自動車保険サービスなど多くの業界で使われ始めています。
アイディア次第で、これまでにはない画期的な新しいサービスが出現してくる可能性も十分あります。

テレマティクスサービスで使う端末

テレマティクスサービスで使われる端末は、車両情報やGPS情報を送信するだけではなく、ドライバーも情報を取得する必要があります。端末は3GやLTEの通信が可能なものを搭載する必要があり、そうすることで相互通信を使った情報交換が可能になります。
また、専用カーナビ型やスマホアプリ型以外の端末では、タブレットやスマホと連携してドライバーは情報を得ることになります。

デジタコ(デジタルタコグラフ)設置型

デジタコ

運輸業界では、車両総重量7トン以上、最大積載量4トン以上の車両に義務付けられている法定3要素「車両の速度、走行時間、走行距離」を記録する機能が主になり、GPS情報を使った動態管理で使われます。

OBD2ポート差し込み型

OBD2ポート

OBD2ポートとは元々は故障診断機能の接続ポートとして使われ、2008年10月以降に製造される車両には搭載が義務付けらてます。古い車両にはOBD2ポートが搭載されてなかったり、端末を設置できない古い形式のポートもあります。

シガーソケット差し込み型

ガーソケット

スマホの充電などで電源を供給してくれるシガーソケットを利用します。
車を運転するほとんどの人がシガーソケットの位置も簡単に把握可能な場所にあり、設置は簡単です。

専用カーナビ設置型

専用カーナビ

ドライバーが使う画面も大きく操作もしやすいのが特徴です。端末であるカーナビの設置は、ほとんどの場合が専門業者に依頼する事になります。

専用ドライブレコーダー設置型

専用ドライブレコーダー

ドライブレコーダー型は本来の使用目的である車両の外や車内の映像も記録できるので、テレマティクスの端末とドライブレコーダーを別で設置する必要がありません。
ドライブレコーダーの設置も検討している場合は二つの機器を設置しなくて済むので、お勧めの端末です。

スマホアプリ型

スマホアプリ

テレマティクスサービスのアプリをインストールしたスマートフォンを車内に搭載して、GPS情報などを送受信します。画面を使ったルートの確認やメッセージ機能も使えて機能は豊富です。専用の端末を購入したりレンタルする必要や、設置の手間も無いので導入は簡単です。

テレマティクスサービスが使われる主な業界

テレマティクスサービスが使われる主な業界

自動車保険

テレマティクス保険は「走行距離連動型(PAYD)」走行距離に連動する保険料の算定方法と、「運転行動連動型(PHYD)」車速や急ブレーキなどの情報から事故リスクを分析して、保険料を算定する方法に分けられます。
細かな情報を使った算定方法で、個人に合った保険料のスマートを実現できます。

自動車メーカー

自動車メーカーが提供するテレマティクスサービスは、コネクティッドサービスとも呼ばれています。
オペレーターと対話しながらナビの設定や過去の走行履歴から渋滞情報や天気情報を提供してもらえます。
またカーナビの地図データも自動更新される機能もあります。

車両管理サービス

営業車や輸送車両にテレマティクスサービスを導入する事で、車両のリアルタイムな位置情報や業務の進み具合を把握することが可能になります。また過去の走行履歴をもとに、走行ルートや業務の効率化も図れます。他にも急加速や急ブレーキの情報から危険運転の警告や、安全運行の指導もできます。

テレマティクスサービスのメリットとデメリット

テレマティクスサービスのメリットとデメリット

自動車保険

メリット
普段あまり運転をしない車両のオーナーは保険料金を安く収め事ができます。
車速やハンドリング、ブレーキ操作などの運転技術も保険料の算定対象になるので、安全運転に心がけるようになります。

デメリット
運転技術の程度が低い、安全にあまり注意を払わない運転者は、保険料が高くなることが考えられます。
頻繁に車を運転するドライバーにとっても、通常の任意保険の方が保険料金が安く済む場合もあります。

自動車メーカー

メリット
事故の対応など緊急を要する事態には、緊急通報システムで人命救助の対応も迅速に行えます。
他にも車両が盗難された場合でも自動追跡システムで監視でき、車両盗難の犯罪も減少します。

デメリット
車両がネットワークに繋がるのでハッキングされるリスクがあります。
車両情報や走行ルートのプライバシーが漏れてしまう可能性があります。

車両管理サービス

メリット
ドライバーへ急な現在地確認が必要な場⾯でも、電話で確認せずとも管理者はテレマティクスサービスの管理画⾯で把握でき、変更の指⽰もシステム上で完結できる。

デメリット
テレマティクスサービスの機能に便利さを感じるが、使いこなすまでに時間がかかる。


まとめ
この記事ではテレマティクスサービスの仕組みや使われる端末の解説、テレマティクスサービスを使ったサービスを展開する業界の紹介をしてきました。テレマティクスサービスは、車両とサービス提供者の相互通信が可能になる事で、車両の情報管理や情報提供サービスを行うことが可能になりました。
テレマティクスサービスの技術は、今回紹介した「自動車保険、自動車メーカー、車両管理サービス」の他にも、新しいサービスを提供する業界が出てくる可能性が十分あり、業界の拡大に期待されています。この記事で紹介したテレマティクスサービスを利用するメリットとデメリットを参考に利用の参考にお役立て下さい。

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